2週間Tik Tokを見続けて得た2000年代生まれに関する知見

TikTokついていけない(笑)自分の踊ってる動画撮って何が楽しいの(笑)とか言ってる90年代生まれたち、クッソダサいぞ。

時代はYoutuberでもInstagrammerでもなくTik Tokerらしいぞ。

 

一時期、「Youtubeを観ていると出てくるウザい広告」として話題になったTik Tokだが、今やApp Storeの無料ダウンロードランキングで2位、一日のアクティブユーザー数は6,000万人を超え、1日のビュー数は10億を超えるという。

 

カラオケでオレンジレンジを歌う2000年代生まれに出会いたくない」とか言っていたが、もうそんなこと言っている場合ではない。

ブルーノマーズに合わせて手のひらに友達のあごを乗せていく彼らに、ラッツ&スターの「め組のひと」にノリながらピースサインをする加工された自撮り動画を投稿する彼らに、我々はきちんと向き合わなければならない。

不必要な義務感にかられてTik Tokをダウンロードし、彼らは何を目的に自撮り動画を投稿しているのかを理解するべく見学し始めた。

 

ーー結果、気づくと2週間、朝から晩まで暇なときは永遠に見続けていた。

 

ハマってしまった。圧倒的に面白い。
理解しなければならないとか言っている場合ではない。普通に面白い。

 

ということで、下記になぜTik Tokが面白いか/あるいはTik Tokを通して勉強になった点をざっくりまとめようと思う。

 

①「こんなに美しい・カワイイのに全力で変顔できる私」という自意識
「こんなに美しい・カワイイ私」という自意識(アピール)はどうやらもはや古いらしい。そのあたりのアピールは近頃みんなインスタでできているので、Tik Tokではさらに一段上のアピールが必要になってくる。そこで、かわいらしいモデルなりインスタグラマーが実施しているのが、「こんなにカワイイのに全力で変顔できるアピール」である。

テンポのいい曲に合わせて様々に変顔を披露する美女。白目をむいたり、しゃくれたり、鼻を膨らませたり…かわいいのに気取ったりぶりっこせずに変顔する気さくで親しみやすい私、という好感度抜群である。例えば、写真はハーフモデルのErikaちゃん。実際、コメント欄には「こんなに全力で変顔してるとめちゃくちゃ好感度上がるww」という素直なコメントが目立つ。時代は可愛いインスタグラマーを経て変顔できるTik Tokerに移っているらしい。まるで時代が歌って踊れる少年隊から歌って踊ってコントができるSMAPに移行しているようだ。

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②「加工したらかわいいのに~」というコメント。加工はエチケット
あまりかわいらしいとは言えない女性の動画に目立ったのが、「加工したらかわいいのに~」あるいは、「化粧して加工したら普通にかわいいと思うよ!」という善意のコメントたち。
もはや「化粧したらかわいいのに」ではない。加工することは化粧と同じかそれ以上のエチケットなのである。
恐らく、インスタかTik Tok上でのコミュニケーションの優先順位が高い彼らにとっては、鏡で見る顏ではなく、化粧し、小顔効果、フィルターを追加したインカメで確認する顔が『自分の顔』なのである。なぜなら、教室ではなくインスタとTik Tokがメインフィールドだから。
(私個人としてはこの考え方に賛成するつもりも批判するつもりもない)

 

③最近のぶり顔は「アヒル口」でも「カッパ口」でもなく下あごを出したア顔かイ顔
簡潔に説明すると、画像でアヒル口をしていた人がアヒル口のまま話す動画を取ると、自然と下あごと下の歯列が出る。結果、下あごが出たままするア顔かイ顔が新しいぶりっ子顔になる。
写真をみてもらったほうがわかりやすいと思うので、人気Tik Tokerであるゆなちゃんとひなたちゃんを参考にさせていただく。完璧なるア顔とイ顔。かわいいの圧。

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④かわいらしさのアピール以外にも、休み時間のお供、メディアとしての使われ方

自撮りダンス動画としての使われ方だけでなく、Tik Tokはそこら辺の野球少年や男子高校生が休み時間に楽しく遊ぶのに使われたり、「道でこんなの見つけた」などというバズネタを伝えるメディアとしても普通に使われている。若い世代が流行ネタを仕入れるためのプラットフォームとしても使われているよう。

Tik Tokではできるだけ短時間の動画で、BGMを使用することが推奨されているが、なんらかのBGMが入ると、また長さも一瞬で終わると、動画自体の面白さがそこそこでもなんとなくそれなりのコンテンツっぽくなる。単に動画を投稿するだけのメディアよりも爆発的に流行しているのは、それが理由な気もしないでもない。

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Tik Tokは小学生ユーザーもかなり多そうなので、こうしたSNSには2010年代生まれも出現してきている。2000年代生まれを理解しようとして満足しているようでは自分もまだまだだと思う。今後とも向上心を忘れずに、彼らの投稿からは自意識についてさらに勉強させていただきたい。